夜なのにどこか明るくて安心する祭壇。
 
たくさんのお花に囲まれて、夢くんはおふとんの中で目をつぶっている。
 
もう二度と開くことのない目。
 
肌の赤みが、時間を追うごとに、だんだん白っぽくなっていく。
 
もう、戻ってこないんだね。
 
もう、あの笑顔は見られないんだね。
 
私の記憶の中でしか、生きていないんだね。

外は漆黒の闇。ここは葬儀社の部屋の一室。
 
皆、黒い服を着て、夢くんのママの入れてくれたお茶をしんみりと飲んでいる。

ここに介しているのは、夢くんのお父さんお母さん。

それから私のお父さんとお母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん。

私はさっきから疑問を感じていた。

ここに集まっている面々に、だ。

どうして夢くんの葬儀に私の家族がいるのだろう。