「ねぇ、夢くん、死んじゃうの?」

「――たぶんね」

私は夢くんに近づき、ひざの上に無造作に置かれていた、骨と皮ばかりでゴツゴツしている手にそっと触れた。

あたたかい手だった。

「その病気、知ったのは、いつ?」

「発症した時」

「高1で、自分のリミットを知らされたの?」

私が、そう尋ねると、窓の外を見ていた夢くんはこっちを向いた。

ドキドキドキドキ……。

「そうだよ」

と、切なげな笑顔で言った。

「何で笑えるの?」

「真顔で言ったら、悲しいじゃない」

「――」

しばしの沈黙があった。