秋が深まっていくにつれて、夢くんのぜんそくの症状は悪化して行った。

睡眠中に呼吸困難になって、私が揺り起こしてやっと呼吸ができるようになることもしばしばだった。

食欲もおちてきている。

出会った頃に比べて、ずいぶんと顔もこけた。

時間のほとんどをベッドの上で過ごし、学校へもぱたんと行かなくなった。

夢くんのお母さんが定期的にやって来て、夢くんを車で病院へ連れて行くことになった。

それでも体調のいい時は、ふたりしてトランプしたり、お互いの似顔絵を描きあったり、人生ゲームをやったり、家の中での娯楽に熱を入れた。

頬をよせて笑い合い、腕を絡めて抱きついたり。

肩をよせては童歌(わらべうた)を唄い、ふたりで折り紙をしたり。大切な時間を過ごした。