「うあっ、すごいっ、大きいっ」

空港内のレストランに入り、ウェイトレスさんに窓側の席、と渡海さんが言ってくれてこの席に通された。
 
私は窓に両手を当て、張り付くように停泊している何体もの飛行機を見た。

「あはは。子どもみたいだな」

鼻の下を拭って、渡海さんは笑った。

「普段、飛行機雲とか見てるけど、これがつくっているのね。すごい。すごい大きい」

「うん、大きいな」

彼は細かく砕かれた氷の入ったグラスの水を飲んで言った。

「すごいなぁ。こんな鉄の塊が空に浮くなんて夢みたいですよね」

「うん。だから俺、飛行機嫌い」

「渡海さん、飛行機ダメなんですか」