私は串焼きをぱくり。一気にむしゃむしゃと食べた。

「だから、長いこと独り身」

「昔の恋愛引きずってるの?」
 
涼くんもぼんじりを齧りながら言った。

「そうじゃないけど。いや……どうだろうな。よく自分でも解らない」

「あたらしい恋は?」

「目ぼしいやつがいない」

「そう」
 
私は圏外ってことか。安心した。だけど、どうして涼くんは、今日私を誘ったのだろう。
 
私はお酒を進める。ふわふわし始めた。心地よい酔い。

「あんたは、彼氏いるんだよな」

「いるよ~。素敵な彼氏」

「そうか」
 
やっぱり、私のことを意識しているのだろうか。いや、ただの会話に過ぎないのか。

「あのさ……」