「そうなの」

「プレゼミの、討論会があってさ。討論会って云っても、ただの飲み会だけど。ま、俺は飲めないけどさ」

「プレゼミって、4年次に向けての練習のゼミ……だっけ」

「そう」

「そんなのとってたんだ。凄いね」

「うん。今のうちに、できるだけ勉強しておこうと思って……多分、何の役にも立たないだろうけど」
 
ちょっと翳りのある笑いを見せる夢くん……私の思い過ごし?

「そんなことないよ、力つくんじゃない?」

「勉強なんて、二の次だわ、私。帆乃香たちがいて、夢くんがいて、それで毎日楽しくやっていければいいかな~って感じ」

「それでもいいじゃん。勉強よりも大切なことって、結構あるよ」

「うん……だけどいつもテスト前は追い込まれるのよね」

「ははは」
 
そうだ、と私は思い出した。