「理想の女の子だよ」
 
彼は笑みをつくる。

「ほんと?」

「ほんと――逆に、梨聖ちゃんは、どんな男のひとが好きなの?」

「夢くん」

「即答だな。ははは」

「だって、ほんとのことだもの」
 
私はワインをぐいっと飲む。
 
こんなに美味しいものを飲めないだなんて、夢くんが可哀想。
 
飲めば、夢の世界に入れるのに。 
 
ふわふわ、地上から少し浮き上がっている感じ。
 
胸もぽっとあたたくなって、心地よい。
 
やっぱりお酒は好きだな~。
 
夢くんは、ノンアルのカクテルをちびりちびりと飲んでいる。
 
一緒に酔って、一緒に夢の世界へ羽ばたきたい。
 
いつか、夢くんの体調がよくなったら、ちょっと飲ませてみようかな。