ぱこっと蓋をあけると、そこにはピアスが入っていた。
 
指輪じゃなくて、ピアスか……。
 
ちょっと残念だったけれど、十二分に嬉しかった。
 
青い宝石の入った、キラキラしたピアス。
 
これって、本物の宝石なんじゃないかな――。

「ありがとう。高かったでしょ」

「そんなことないよ」

「前もって準備してくれてたんだ」

「うん」

「ほんと、ありがとう。とっても嬉しい」

「よかった」
 
私はピアスを耳に当ててみる。

「これ、何ていう宝石?」

「アクアマリンだよ」

「この色好きだな。水色っていうの? 空色っていうの? とにかく、好き」

「アクアマリンは、お守りの効果があるから、きっと梨聖ちゃんを守ってくれるよ」