夢くんが笑う。

「そうかも。だけど、夢くんと一緒に飲んでるから幸せなんだよ」
 
私は正直に言う。

「ありがとう……ちょっと待ってて」
 
彼は立ち上がると、室内の白いキャビネットから何かを取り出してきた。

「お誕生日、おめでとう」
 
リボンのかけられた、小さな白い箱だった。

「――私に?」
 
笑顔で夢くんは頷く。

「わぁ……気を遣わなくていいのに」
 
私は箱を受け取る。
 
これは……もしかして、指輪?
 
期待に胸を膨らませながら、私はリボンをそっと解く。
 
白い箱をスライドして開けると、中にはピンク色の小箱が入っていた。

「開けていい?」

「もちろん」