そして私たちは海を後にし、家へと戻った。
 
家へ着いた頃には、もうすでに外は真っ暗だった。
 
デリバリーのピザを頼み、私はワイン、夢くんはノンアルコールカクテルで乾杯した。

「お誕生日、おめでと。ほんと、おめでとう」
 
改めて夢くんが言ってきた。

「ありがとう……何もそこまで繰り返さなくても」
 
私が苦笑すると、

「きみがこの世に生まれてきてくれて、俺は嬉しいよ」

と、付け加えた。

「私も、夢くんと出会えて嬉しい」
 
照れつつも、私はそう返した。