「夜は、何が食べたい?」
 
夢くんが切り出した。

「ん……。ピザ」
 
私はなんとか落ち着きを取り戻し、応えた。

「お酒は?」

「赤ワインが飲みたいな」

「じゃあ、どこかお店、探しておくよ」

「ううん、家でまったりしたい。デリバリーのピザ、頼もうよ」

「そっか。解った。じゃあ、帰りはお酒買って帰ろう」
 
夢くんは、私のあたまにぽん、と手を載せた。
 
大きな手。
 
私は、この手に守られている。