私は拳を高らかに挙げた。

「テンション高いな」
 
夢くんは苦笑いをしながらハンドルを切った。
 
今日は快晴で、お日様がらんらんしている。

「天気よくて良かったね」

「梨聖ちゃんの日頃の行いがいいんじゃない?」

「どうかな。よく講義サボったりしてるけど」

「それくらいじゃ、神様も怒らないんじゃない?」

「そっか」

「学校に行くよりも大切なことってたくさんあるからね」
 
青信号続きで、車はなめらかに滑っていた。
 
誕生日ドライブなんて素敵。
 
去年の誕生日は……どうしてたっけ。
 
確か、平日で、ああそうだ、帆乃香たちとケーキバイキングに行ったんだっけ――それも、講義サボって。
 
想太からは何も祝ってもらえなかったな、と思い出す。