「名前言ってなかったね。僕、渡海夢大(とかいゆうた)」
「渡海さん。――珍しいお名前ですね。私は香林梨聖です。私の名字もあまりないですけど、なんだかお寺の名前みたいで」
「カッコイイじゃん。名前もカワイイし。梨聖ちゃん」
私の名前を呼び、ちらっとこちらを見た。
どきっ。
私の胸が音をたてて痛んだ。
私には、想太という彼氏が一応、いることなど忘れてしまっていた。
カッコイイって武器だよなぁ。フンイキも悪くない。
うん。私、この人、スキだ。
渡海さん――見ず知らずの人なのについてきちゃって。全然怖くないし、むしろ渡海さんといると心地良い。
どうしてだろう。
初対面でも、沈黙が怖くないって、いいよね。
変にキンチョーしてどうでもいいこと喋りまくって後で後悔するよりはずっといい。
「どこに行くんです?」
「渡海さん。――珍しいお名前ですね。私は香林梨聖です。私の名字もあまりないですけど、なんだかお寺の名前みたいで」
「カッコイイじゃん。名前もカワイイし。梨聖ちゃん」
私の名前を呼び、ちらっとこちらを見た。
どきっ。
私の胸が音をたてて痛んだ。
私には、想太という彼氏が一応、いることなど忘れてしまっていた。
カッコイイって武器だよなぁ。フンイキも悪くない。
うん。私、この人、スキだ。
渡海さん――見ず知らずの人なのについてきちゃって。全然怖くないし、むしろ渡海さんといると心地良い。
どうしてだろう。
初対面でも、沈黙が怖くないって、いいよね。
変にキンチョーしてどうでもいいこと喋りまくって後で後悔するよりはずっといい。
「どこに行くんです?」