私は、皆に愛されて生かされてきたな、と改めて思う。

本当の家族じゃないけれど、本物の家族として、大切に育てられてきた。

私は、今日、家を出る。

両親は、花嫁修業だ、と云っていたけれど、そのまま夢くんの花嫁になりたいな、なんて思ったりして。

私はボストンバックに服を数着と、身の回りのものを詰めた。

ダンボールには、学校で使うテキストやノート。

バッグ3つに、ダンボール2つの、ちいさな家出。

後で入用になったら、いつでも帰ってくればいい。

――何だか、涙が出そうになった。

今まで育ててくれた家族と離れて暮らす日がこんなに突然訪れるとは思ってもみなかった。

まるで、本当にお嫁に行くみたいだ。

だけど、これは哀しい別れではない。

私は、夢くんと未来を作っていく。