ある日、私は、夢くんとの同棲へ向けて、荷造りをしていた。

約20年間お世話になった部屋だ。

6畳のカーペット敷きの床。

カーペットとお揃いの、ピンクの遮光カーテン。

このカーテンは、朝日で目覚めてしまって、また二度寝してしまい、結局は寝坊する私に、お姉ちゃんが買ってくれたものだ。

お陰で、代返を頼める日は、このカーテンの許、ぬくぬくとお昼まで寝ていたりしてた。

ベッドの上にちょこんと乗っているくまのぬいぐるみは、いつかのクリスマスにお兄ちゃんがくれたものだ。

何が原因か忘れてしまったけれど、お兄ちゃんと大喧嘩して、そのお詫びの印にくれた。

私が小学生の頃だったな。

机の上のペン立てには、名前入りの万年筆。

これは、私が中学入学の時にお父さんが記念として贈ってくれたもの。

窓辺には、ピンクのガーベラ。これは、毎週お母さんが活けてくれるものだ。部屋の中に緑があった方がいいと、風水に凝っている母の趣味だ。