「お腹減ったでしょ、ごめんね」
 
私は平静を装った。そのまま、夢くんに抱きつきたかったけれど、ここは図書館だし、そんなことをしたら彼を驚かせてしまうので、じっと堪えた。

「いいよ。牛丼、食べに行く? それとももうご飯済ませちゃった?」
 
居酒屋で胃の中に流したのは、ビールジョッキ3杯と、シーザーサラダひと皿と、から揚げ4個だった。

「まだ食べられる」

「そう。じゃあ、行こうか」

「ビールも飲んでいい?」
 
まだまだ飲みたい気分だった。っていうか、常に飲みたい性分なのだ。

「いいよ。何杯でも。好きなだけお飲み」 

「わあい」
 
して私は事なきを得て、夢くんとふたり仲良く牛丼デートを楽しんだ。