「お化粧もちゃんとしてるね。目の上と、唇がピンクで綺麗」

「えへへ」

「お洒落して、友だちに会ってきたんだ?」
 
合コンに行ってました――とは言えるはずもなかった。
 
無理矢理に拉致られた合コンだったけれど。
 
まあ、ビールの誘惑に負けた私が全部悪い。
 
もう、すっかり酔いは冷めていた。

「夢くん、ごめんね。お待たせしました」

「別によかったのに」
 
夢くんは手許のレポート類を片付けながら言った。

「だけど、俺のところに来てくれて、やっぱり嬉しいな」
 
きゅきゅきゅ、と胸が締め付けられた。
 
物事をストレートに言う夢くん。
 
それは、私のハートを攻撃する。
 
ハート型の矢で打ち抜かれる。
 
きゅん死にしちゃいそうになるよ。