「まだガラケーなの? スマホにしなよ」

「だって、料金嵩むじゃん。今のままで充分」

「電池持ち悪いの、古いスマホだからじゃないの?」

「嫌、私のは画面が大きいから」
 
みんなが盛り上がっている中、私は飲み食いに徹していた。
 
見れば、真向かいに座っている涼くんも黙ってきんぴらごぼうをつまんでいる。
 
このひとも、無理矢理連れてこられたタチなのかな。
 
何か、醸す雰囲気がとっつきにくくて、皆の輪に入ろうともしない。
 
鈴たち4人で盛り上がっているといった感じだ。
 
それにしても、鳥のから揚げ美味しい。ほんのりガーリックの味がして、サクサクしていて中はジューシー。
 
揚げ物って、私あんまり作らないからな。
 
料理に使った油とか、処分に困るし、洗い物も面倒だし。

「だけど、スマホ充電切れたまま外出するのって心もとないな、確かに」

「私はこまめに充電してるよ。学校の講義室のコンセントとか使って」

「帆乃香、それって電気の窃盗罪じゃない? 」