私は一気にビールをコップ半分まで飲んだ。
 
運ばれてきた、きんぴらごぼうのお通しにも箸をつけた。
 
空きっ腹にアルコールを摂取したものだから、ちょっと酔いが回ってきた。
 
楽しくなってきてしまったのだ。

「じゃあ、自己紹介ターイム」
 
鈴が手をあげて、声を出した。

「男性陣から行くか? じゃ、俺から」
 
吊り目の男のひとが言う。

「智哉です。薬科大学の2年生で、鈴とお付き合いしてます。今日は、皆と楽しく飲めればいいなって思ってます。ついでに、こいつらは今恋人大募集中なので、よろしく」
 
こいつら、というのは横に並ぶ2人のことだろう。
 
これが智哉くんか。鈴の彼氏。
 
活発そうなところが、どこか鈴に似ている。
 
やっぱり連れ添うと似てくるものなのか。

「あ、次、俺? 大輔です。智哉とこいつ、涼とは同じクラスで。彼女と別れたばかりなので、淋しい毎日です。よろしく」