テーブルにはビールのジョッキが並んでいた。
 
皆、飲まずに待っていたみたいだ。
 
琥珀色にキラキラと輝くビール。
 
その魔術に魅かれてしまった。

「……じゃあ、ちょっとだけ」
 
私はしぶしぶ靴を脱いだ。

「じゃあ、皆揃ったところで、乾杯といきますか」
 
髪の毛をつんつんと立てた吊り目のひとが言う。

「うん。じゃあ、皆の出会いに、かんぱ~い」
 
鈴が音頭をとった。
 
乾杯、と皆ジョッキをカチリ、と合わせる。
 
私も仕方なくジョッキを持った。
 
男性陣からジョッキのキスをもらう。
 
私は魔薬に口をつけた。
 
ん~、美味しい。ビールってひと口目が一番美味しいという。
 
だけど、ひと口だけじゃなく、ふた口、み口も美味しいのだけれども。