「梨聖、こっちこっち」
 
駅のステンドグラス前で、鈴は待っていた。
 
白いもこもこのワンピースを着て、可愛らしい洋服は、可愛らしい鈴に良く似合っていた。
 
いつもより、お洒落してる?

「何、見せたいものって、そのワンピ?」

「違う違う。それより、ちょっと買い物つきあってよ」

「私、あんまり時間ないんだけど……」

「大丈夫大丈夫」
 
何が大丈夫なのか、鈴は先に歩いて行ってしまった。