私も一緒に立つ。

「講義棟、どこ?」

「あ、5号棟」

「私も行く。お見送り」

「そっか。じゃあ、まだ少し一緒にいられるな」

「うん」
 
私たちは顔を寄せ合い、笑いあった。
 
見つめると、見つめ返してくれる。
 
こんな、あったかい関係。
 
私は講義室の前まで行くと、ドアの前で手を振って別れた。

「頑張ってね」

「おう。眠らないように、頑張る」

「あはは」
 
そうして私は生協へと向かった。
 
土曜日の生協は閑散としていて、いつもなら立ち読みの学生もたくさん見受けられるのに、今日は誰も本など読んでいなかった。