「私の方がかくかも。お酒飲むひとだから」

「梨聖ちゃんのイビキ、聞いてみたい」

「も~」
 
私は目の前の夢くんの腕を小突く。
 
傍から見れば、まるで、いちゃつきカップルだ。
 
……実際に、いちゃついてるカップルだけれども……。

「ところで、晩飯、何食べたい?」

「ん~、牛丼」

「おっけ。じゃあ、そうしよう」
 
夢くんは時計を見た。

「もう、時間?」

「そうだな。そろそろ講義室行かないと」

「じゃ、移動しようか」

「ごめんな、待たせて」

「いいの。生協で本の立ち読みでもしてるわ」
 
夢くんが、席を立った。