イマドキ、お姫様抱っこなんてする人いる?
 
こういうことを、さらりとやってのける夢くんが素敵。
 
私は本当に、お姫様になった気分だ。
 
どこへ連れて行かれるのやら、と思っていたら、夢くんは生協のある建物に入って行った。
 
生協前には、ラウンジがあって、大きなソファがいくつかと、テレビがある場所だ。
 
ゆっくりと、彼は私を革張りのソファにおろした。

「ごめん、私、重かったでしょ」
 
華奢な創りの夢くん。私の体重を支えて歩くなんて、そんな力、どこから出てきたのだろう。
 
――愛の力? なんて思っちゃって、私はひとりで恥ずかしくなってしまった。

「大丈夫。ゾウよりは軽いよ」
 
そう言って、ウインク。

「も~う」

「いいから、横になってな。コンビニで何か調達してくるから、待ってて」
 
夢くんは小走りで私の元を去る。