見れば、夢くんだった。
 
こんなところで出会えるなんて――やっぱり運命? なんて思ったり。

「講義終わり? 1コマだったんだ?」

「うん」
 
私は返事をしながら、屈んでルーズリーフを拾った。
 
そして、立ち上がった、時だ。
 
くらっと目の前が真っ暗になって、私は背中から倒れこんでしまった。

「梨聖ちゃん!?」

「梨聖!」

「大丈夫?」
 
夢くんと帆乃香と鈴の声が、遠くで聞こえた。
 
ゆっくりと視界が色を取り戻す。

「ああ、貧血……。大丈夫」

「この子、朝ご飯食べてこなかったんですって」