どう接していいのか解らずじまいだった。
 
そして、どうにか講義終わりの小テストを埋め、開放された。

「お腹減った~」

「まだ10時よ。学食もやってないじゃない」

「生協って何時からだっけ」

「10時半。あと30分の辛抱ね」
 
30分かぁ……。 
 
と、私たちは会話をしながら講義室を出た。
 
私は歩きながらテキストやルーズリーフを鞄にしまっていた。
 
秋の陽光が眩しい。なんて思っていたところに、風が一陣、吹いた。
 
ルーズリーフが、風に持っていかれる。
 
私は瞬時に足でそれを踏んで、飛ばされないようにした。

「ナイス」
 
帆乃香が褒めてくれた。

「私、反射神経いいから」
 
そう応えると、

「梨聖ちゃん」

と、私の名を呼ぶ声がした。