「今日は、疲れちゃった? いいよ、眠っても」

「ごめん」

そう言うと彼はベッドへ上がり、床に伏せた。

――病弱だよな、夢くんって。

ぜんそく、そんなに辛いのかな。

虚弱体質? う~ん。

私はビールの缶を冷蔵庫から出し、またもひとり酒を始めた。

だけど、もう終電も始発も気にしなくていいんだ。

――妙な感じ。

夢くんの親も、私と住むためにこの部屋を借りてくれたみたいだし。

何があるのだろう。

私と、夢くんと、それを取り巻く世界に。

だけど、今は、聞かないようにしておこう。

心の底から、夢くんを愛そう。

徹底的に、夢くんとつきあおう。

今はそう思う。

オレンジ色の傘のついた、部屋を照らす電器が、煌々と光を放っている。

私たちを明るく照らす。

なんだろう。

この、胸の奥底にある妙な不安も、溶かしてくれればいいのに――。