本当の兄弟じゃないけれど、仲良く育ってきた。

本当の親じゃないけれど、お父さんもお母さんも、本当の子どものように接してくれていた。

さっきだって、お母さんは私のこと心配して、叱ってくれて。

――あれ。でも。

私を叱るよりも、夢くんの方に心、奪われてた。

私は一日ぶりのベッドにごろんと寝転がった。

なんか、変――。

あきらかに、お母さんと夢くんは互いに知り合いだ。

階下から、いいコーヒーの香りがしてきた。

大切なお客さんが来た時に、お母さんがとっておきのカップとソーサーでおもてなしをするんだ。

お父さんの低い声も聞こえてくる。

よっぽど大切なお客なの? 夢くんって。

私は天井に向かって、大きく息を吐いた。

なんか、最近ちゃんと眠れてないな。

そう思うと、あくびがでてきて。だんだんと睡魔が襲ってきた。

私は深く、深く寝入ってしまった。