ビバ☆アルコール!

「目ぇキラキラしてら」

あとからカートをガラガラと押してやってきた彼は言う。

「命の水」

「そうかぁ。あはは」

私は数本のビールを抱えながら、夢くんに尋ねた。

「お酒、全く飲めないの? 弱いの? 匂いがダメ?」

「いや、飲んだことない」

「えっ。一度も?」

「うん。――たぶん、梨聖ちゃんのように飲めるクチではあると思うけど、飲んだことない」

「めずらしー。なんで?」

私はビールやらをぽいぽいとカゴに入れた。

「飲まないようにしてる」

きっぱりとそう言われたら、何も返す言葉がない。

「ふーん」

私はなんとなく、うなずいた。

そして、会計を済ませ、私たちは手をつないで帰った。

想太とは、決してこんな時にも、手を繋ぐことはなかったのに。

背の高い夢くんの手はやっぱり大きくて。

私の手を、あたたかく、優しく、包んでくれた。