やがて夢くんと私は、デパートの地下にある、アニエスベーのお店に来た。
テニスコート2面ほどの広さの店内、モノトーンの商品が多い。
私たちが自動ドアをくぐると“いらっしゃいませ”と控えめな挨拶の店員さんに招きいれられた。
「私、ブランド物って買ったことないな」
「創りがしっかりしてるからいいよ。値は張るけどね」
私は目についた黒いバッグを手に取った。
ファスナー式の、肩掛けバッグだ。
ポケットには、筆記体のアニエスベーの文字。
中を開けると、赤色をしていた。
赤と黒のコントラストが、高級感を漂わせる。
値札を確認してみると……い、一万四千円。
私は慌てて鞄を元の棚に戻した。
財布も見てみたけれど、軽く二万に届きそうな値段だった。
私の財布なんて、雑貨店で買った四葉のクローバーの三千円のものだ。
私の財布が、10個弱買えることになる。
テニスコート2面ほどの広さの店内、モノトーンの商品が多い。
私たちが自動ドアをくぐると“いらっしゃいませ”と控えめな挨拶の店員さんに招きいれられた。
「私、ブランド物って買ったことないな」
「創りがしっかりしてるからいいよ。値は張るけどね」
私は目についた黒いバッグを手に取った。
ファスナー式の、肩掛けバッグだ。
ポケットには、筆記体のアニエスベーの文字。
中を開けると、赤色をしていた。
赤と黒のコントラストが、高級感を漂わせる。
値札を確認してみると……い、一万四千円。
私は慌てて鞄を元の棚に戻した。
財布も見てみたけれど、軽く二万に届きそうな値段だった。
私の財布なんて、雑貨店で買った四葉のクローバーの三千円のものだ。
私の財布が、10個弱買えることになる。