「……ん」
 
恥ずかしくて、私は小さな返事しかできなかった。

そっと、彼が私の手を取った。

ちょうどいい体温。

熱くもなく、冷たくもなく。

私と同じ熱を持っているようだ。

その手は大きくて、柔らかくて。

何もかもを包み込んでくれているようだった。

このひとといると、安心する。

ときめきも、安らぎもくれるひと。

ずっとこうして、ふたり、手を取り合って生きていきたい。

おじいちゃんおばあちゃんになっても、しわしわの手で、繋がっていたい。

今まで、何人かの男の子とつきあってきたけれど、こんなにも深く愛したのは初めてのことだ。
 
私たちの出会いは、偶然なんかじゃないよね。

「……神さまが、与えてくれた運命なんだよね」