『小鳥遊くん。』
話しかけても返事がない。
『小鳥遊くん』
もう一度呼んでみてもさっきと同じ。
『小鳥遊くんとまって。お願い。』
返事を行動で表してくれた小鳥遊くん。
とっさのことで止まることのできなかった私。
先程とは反対に私が小鳥遊くんを
引っ張って歩くかたちになった。
「なんで高瀬が俺を引っ張るんだよ」
少し笑って私の手を自分の方に
引きながらい言う君。

君の方によろめく私。

君はよろめいた私をそっと
包み込むように抱きしめて支えてくれた。
「大丈夫か?
もうすぐで木陰がたくさんある
公園に着くから休むならそこに行こう。」
な?
と私の顔をのぞき込みながら言う君。