きみと出会ったのはぼくが小学5年生のこと。


ぼくたちの部屋に女の子は初めてで、無駄にテンションがあがったことを覚えてる。

きみは年下のはずなのにどこか大人びていて、今にも消えそうで少し怖くなった。

最初はみんな興味津々できみに質問攻めなんかしてたけど

きみはなにを聞いても首を振るだけでなにも喋らなかった。


小学生というのは自分勝手なもので、興味があるとよってたかるのに

なくなった途端に話しかけもしなくなるのだ。

ぼくもその一人で、きみには目もくれなかった。


ある日部屋のみんなが検査やら外出やらで

部屋にはぼくときみだけのときがあった。


今日もきみはピンクの無地のパジャマを着て

窓の外をじっと見ていた。

ぴくりとも動かず、ただじっと見ていた。