子供らはきゃぴきゃぴ走っていった。
「なんだよ…、見せ物じゃねぇっつうの。なぁ」
「まぁいいじゃん。減るものじゃないでしょ?」
「そう…そうだな」
「そうだよ。…あ」
通りから、さっきの家の賢ちゃんがこっちを見ていた。
「賢ちゃーん」
彼女が手をふりながら呼ぶと、賢ちゃんは少し微笑んだ。
「おいでよー」
だけど賢ちゃんはこっちへ来るのをためらっている。
「しょうがないなぁ」
彼女が笑いながらそう言って迎えに行こうとすると、賢ちゃんは逃げようとした。
つかさず彼女は
「へへーん、つかまえたっ」
「ちぇっ」
なんて言いながら、賢ちゃんは嬉しそうだった。
「この人だれ?」
賢ちゃんは僕を見た。
「この人は、俊平おにいちゃん。私のお友達」
「うっそだぁ、本当は彼氏なんでしょ!」
「えっ、とっ友達!絶対に友達!!」
…そんなに強く否定しなくても。
…ま、ここはそういうことにしとくか。
ははは…