部屋をあさっていると、懐かしいものがたくさん出てきた。

そして、彼女がバレンタインのチョコに添えてくれていたキーホルダーも…


―チャリン…


当時彼女は…どんな気持ちで僕にこれをくれたのだろう…。



現在の彼女には、この時の気持ちはもうないのだろうか…?



「アニキよぉ、まだか?飛行機とんじまうよ」

「ああ、もうすんだ…、すぐ行く」


弟の悠二が空港まで送ってくれると、待っていた。

僕はとっさにキーホルダーをポケットに入れた。






「アニキ…誰か探してんの?電話聞こえてきたけど…」

「ちょっとな。どうしても返さないといけないから…」

「ふーん。よくわかんねぇけどさ。じーちゃんもばーちゃんも、とーちゃんもかーちゃんもアニキいなくて本当は寂しいんだぜ」

「…おまえがいるじゃないか」

「また俺とは違うんだよ。3年も顔見せないのはひどいよ。盆と正月くらいは帰ってきてやれよな」

「わかってるよ…。おまえ随分偉そうになったな。泣きべそばっかりかいてたのに」

「それを言うなよー」