『そんなんじゃねぇよ!弟疑うのか?ひでえ』
「…ごめん」
『いや、その通りなんだよ。東京で悪い女に引っかかって俊平は帰って来ないんじゃないかってみんな心配してんだよ』
「…大きなお世話だよ!」
『冗談だよ!良い女だったって言っとくよ。おやすみっ!』
プツッ
プー、プー、プー…
まったく、兄貴をからかいやがって。
それからしばらく彼女と会うことはなかった。
アパートの前を通っても、偶然バッタリすることもない…。
引っ越している様子はなく…
僕は彼女の身体を案じた。
ーピンポーン
「……………」
応答がない。
ープルルルル…
『留守番サービス………』
電話も応答がない。
僕はひどい不安感に襲われた。
「あ、ピーマンのおにいちゃん」
いつぞやの男の子だ。
母親に手を引かれ買い物から帰ってきた。
「あの…、福澤さん元気ですか!?」
「え?元気…なんじゃない?特に変わったことはないと思うけど。そんなにお付き合いしてるわけじゃないから詳しいことはわからないわ。何かあったの?」