「やなの!私は…私の過去は……。…早く戻らないともう焦げてるかもよ!」
一瞬泣き出しそうになったけど、彼女は笑って席に戻り、苦手な肉をがつがつ食べ始めた。
「…無理すんなよ」
「…うん、よく味わってみるとおいしいよ!」
笑っているけどかなり無理してた。
笑顔がひきつっている。
僕は彼女の箸を止めた。
「無理すんなって」
「…………」
「帰ろっか」
彼女は…悔しそうに拳をぎゅっと絞めていた。
「…ごめんね!せっかくの食事をこんなふうにして…」
「寿司屋行こうか。魚なら平気だろ?」
「もういいから…私なんかに構わないで…。迷惑かけなくない…」
「迷惑じゃないよ!」
この言葉に敏感になっていた僕は、思わず声が大きくなった。
「僕は…僕が構いたいから構う。それじゃだめ?」
「だめだよっ!高原くんは昔の私を知ってる…、なんだかまた昔に引き戻されそうで…」
「そんなこと…、大丈夫だよ!福澤さんは頑張った、もう戻ったりなんか…」
「うっ、うっ…うぅ~~」