「…何のこと?私嘘なんか…」

「あの男はいとこなんだろ」

「何言っ…彼氏だよぉ!何言ってんの高原くんっ」


彼女は言い張った。



「…僕のこともう嫌いになった?」

「…………」




彼女は背を向け、黙り込んだ。





「…昨日ちょっと田舎に帰ったんだ」

「……へー」

「…福澤さんのお母さんにも会ったよ」

「はっ、なんで!?」

「行方不明になったって聞いたから…、ご両親心配されてると思って…」

「高原くん…本当は探偵か何かだったの?…だから私のこと本当は探ってたんだ!?あんなこと言っといてさ!そっかぁ!」

「そんなんじゃないよ。たまたま学校に行ってみたら聞いたんだ。それに…」

「いいよもう!そうだよ。啓太はいとこだし私は家出してきたの!あーあ、バレちゃった。ははは」



彼女は投げやりに笑った。




「…福澤さん元気で頑張ってるって伝えたらお母さん安心されたよ」

「ははは……」

「でな、いつでも帰ってきていいからって…」

「帰りたくなんかないよ……」

「え…?」