「…そうだよ!啓太…喜ぶかなぁ!」
拾い終えると彼女は急いで帰っていった。
そして僕が帰り着くとすぐに彼女は500円持ってきてくれた。
「本当に…こんなに急がなくてもよかったのに…。大丈夫?」
「はぁ、はぁ…、だ…大丈夫よ!」
かなり息があがっている。
「何か飲んでけよ」
「いい!…彼氏にごはん作んなきゃ!早くしないと帰ってきちゃう」
「一緒に住んでんの?」
「そぉだよー!ははは…」
そういう設定にまでなってるのか。
「ただいまー…」
そこへ悠二が帰ってきた。
「えっ、高原くんが2人!?」
「あ、これ弟の悠二。よくそっくりだって言われる」
「こんちわー。どなたか存じ上げませんが兄がお世話になってまっす!」
「いえ、こちらこそ…。じゃあ、おじゃましました」
彼女は帰っていった。
僕は彼女の後ろ姿をいつまでも見送っていた。
すると…
ーバタン。カチッ…
「あ、おいっ…!」
悠二は自分だけへやに入り、カギを閉めた。