追い出された。




誰か彼女の連絡先…

知ってるわけないか…。




どうしてこんなに急に辞めたんだ?

ゆうべそんなことは何も言っていなかった…。






それからというもの、僕は間をみてはあちこちのキャバクラをまわってみたり、道行く女の子を注意深く気にするようになった。

また彼女とどこかで偶然会えるかもしれない…。



けれど…そんな偶然は、そう起こるものではなかった。

10年に1度しか起こらない偶然か…。






「高原、福澤のこと探してんの?なんで!?」

「金借りててさ…」

「いつの話だよ?会ったのか?」


今でもたまに会ったりする同級生の男が、近くに1人いる。
森竜彦。

こいつに聞いてみても…やっぱり福澤さんの居所なんて知らなかった。


「つーかちょっと忘れてたよ、福澤なんて。あいつ学校来てなかったろ。居るのか居ないのかわからないような存在だったよな!」

「…そういうこと言うなよ」

「あれ、かばうの?そういやぁあいつ、おまえのこと好きだったよな。…もしかして高原も福澤のこと!?」