「ええ、最近わかったんですけど、近くのアパートに住んでました」

「あの子が東京?ははは……」



母親までも、彼女を嘲笑うような態度を見せた。



「福澤さんすごく頑張ってます!すごく…強くなったんです!すごく……」




嘲笑って見えた母親の目からポロっポロ涙がこぼれてきた…。


僕はそっと、そこにあったティッシュ箱を渡した。



「…ごめんね!ありがとう…」









学校時代もあの子のことで苦労したわ。
色んなところに走らされたし…

最後に行ったところでは…対人恐怖症だって言われた。


どうして…そんなことになったのか…




そっとしておいた方がいい。


そう考えて、中学を卒業してから周りもあんまりやんや言わないようにしたの。

だけど…


いつまで経っても何にも変わらないからイライラして、時々は喧嘩になったりしたわ。


そんな時あの子は喚くだけ喚いて部屋にこもっていたのよ。


本当にもう、大変だったわ。




あの日もそうだろうと思って、一晩おいていたら…

玄関にみやびの靴がなかったの。