「はぁ…。みんな同じこと言うから若干腹が立ってんだけど」
「え？」
「僕は別に彼女のせいでつらかったとか思ってない！」
僕は本気で怒っていた。
「すまん…、もう言わねえよ」
倉田はしょんぼりした。
「…なぁ、福澤さん…行方不明になってたの？」
「え？…そういやぁそういう騒動も…ありましたかね？後藤先生」
「福澤、東京にいるんだってよ」
「東京!?…まさか高原追っかけて!?あ…ごめん…」
「…もういいよ。そういうんじゃない、本当に偶然なんだ。彼女…すっごく強くなってて、もう…昔とは違うんだ」
「へぇ…。そっか…」
「…倉田、彼女の実家の住所知らねえ？あいつんち卒業してすぐ引っ越しただろ」
「知らねえよ、そんなもん。後藤先生は？確か騒動の時親御さんが訪ねて来られたんじゃ…」
「ああ、どっかメモったんだがどこへやったか…。なんせ６年も前のことだからな。もうないかも…」
「探してください！」
僕の気迫に２人とも驚いていた。
後藤先生は自分の机の引き出しや、思い当たる所を探してくれた。
