…よかった。



会いに行ってみようか…



会いたい。







「よっ」

「いきなりびっくりするじゃないか。どうしたんだ?」



森と入れ替わりで、今度は弟の悠二が田舎からやって来た。

悠二はダンボール箱を抱えている。




「これ届けに来た。母ちゃんから」

「…それだけで来たのか?宅配便とかあんだろ」

「俺が東京に来たかったの!アニキだけずりぃよ。というわけで俺、今から遊び行ってくる!」

「はぁ?」

「夕方までには帰ってくるよー」

「ちょっ…」



悠二はあわただしく出ていった。





箱を開けると、大量のピーマンが入っていた。

…こんなにどうせぇっつうんだ。




「…そうだ」





ピーマンにかこつけて、僕は彼女に会いに行った。

でも…どんな顔をして会えばいいのか…


部屋の前まで行って、僕の指はチャイムを鳴らすのをためらっていた。






「それなぁに?」



足元から声が聞こえた。
見ると、この前の小さな男の子がピーマンの袋を覗いていた。