それは、やっぱりカギだった。




「福澤さん、これ?」

「あ、うん!やっぱりこの辺だったんだ。よかったぁ、ありがとう。…じゃあね!」

「待って、話したいことがあるって言っただろ」

「あー…そうだったね。何?」

「…ここじゃなんだからどこか」

「え~、そんなに重大な話!?」



おちゃらけたように彼女は言う。



「…まぁ、なんか飲もうぜ。のど渇いたし」

「じゃ私何か買ってくるよ。カギもみつけてもらったしね。…あの木陰なんていいんじゃない?」



そう言って彼女はジュースを買いに行き、僕は彼女が指差した木陰のベンチで待った。

…ここじゃ人がゴチャゴチャと、さっきと変わりない。
僕は喫茶店でも入ろうかと思っていたけど…



彼女は何か…はぐらかそうとしているようだ。







「お待たせー。フローズンにしちゃった。好き?」

「おう、好き」

「よかった。私も好き……」





それから、彼女は黙って、フローズンを飲み続けた。

そんなにがぶ飲みすると…