「あたし今日ここに泊まるぅー」

「えっ!?」


彼女は服を脱ぎ始めた。


「やっやめろよ!」

「あっついんだもん!…あれ、もしかして欲情しちゃう!?」

「えっ…そうだよ!襲うぞ!」

「あはは!いいよぉ」

「何言ってんだよ、もうっ!」



彼女はふざけてはしゃいでいる。
酒のせいとはいえ…こういう姿もみせるんだ。


かと思えば…



「うわーん!!」

「えっ!?」


急に大きな声をあげ、泣き出した。


「何、どうしたの!?」

「だってぇ…うわーん!!」



笑い上戸な上に泣き上戸なのか…!?



「私…本当に高原くんのこと好きだったのにっ…」

「え…」

「どおして返事…くれなかったのぉ?ふ…ふってくれたらよかったじゃ…ん…」



泣きながら…彼女は眠った。




僕も…彼女を苦しませていたんだ…。




告白されたけど、僕はちゃんとした返事はしなかった。

当時、僕は彼女に対して恋愛感情などなかった。
でも…ふったりしたら、彼女はますます学校に来れなくなるんじゃないか…と、僕は曖昧なまま中学生活を終わらせた。