まさか…

何かあったんじゃないかと思い、僕は慌てて飛び出した。

近所を探そうと…




「あ、福澤さん!」



彼女は僕のアパートの前の電柱にもたれかかっていた。

意識は…あるようだ。



「あらぁ、高原くんじゃない。久しぶりー」


彼女はヘラヘラ笑って手をふっている。


「しっかりしろ、さっき電話で話しただろ!」

「んー…かゆいー、蚊にたくさんさされたぁ…たすけてぇ」


彼女は全身ガリガリ掻いていた。


「…わかったから掻くな、傷になってんぞ!」



とりあえず…彼女を僕の部屋へ運んだ。






「ほい、水飲めよ」

「んー……」



彼女は酒のニオイがプンプンし、顔も真っ赤になっている。



「なんでそんなに酔ってんの?」

「酔ってないよー、あたしはし・ら・ふ・よ!うふふ」


ふざけて僕の頬を手でペトペト叩いている。


「高原くん、男前だねぇ。さすが昔あたしが惚れた男だ。あは!」

「ほっ…ほら、水飲めってば!酔いをさまさないと帰れなくなるぞ!」