だけど気になって、僕は次の日からわざわざ彼女のアパートの前を通って通勤するようになった。
彼女とバッタリ会うことはなかったけれど、引っ越す様子もなく、僕はとりあえずホッとしていた。






日曜日、僕は大して他に用はなかったけれど、同窓会には行かなかった。

久々に、のんびりダラダラと過ごした。


「んあー……」


…なんか逆に疲れてしまった。





その夜…

見知らぬ番号が着信した。


「誰だ?……はいもしもし」

『俊っ平ちゃあん』

いきなり甲高い声で、馴れ馴れしく僕の名を呼んだ。


「…どちらさまですか!?」

『あーたーしっ!みやびちゃんでーす!あははは…』

「…福澤さん!?」


突然彼女から…初めての電話だった。



『ねぇ、高原くんちどこなのぉ?うちの近くって言ってたからぐるぐるまわってるんだけどさぁ、もうわかんなくて目がまわってきちゃった。あははは…』


なんか…酔っ払ってるみたいだ。



「近くにいるの?」

『…………』

「…おい、大丈夫か?…おいっ!」


応答しなくなった。