眠くなっ……


「出たー!!」

「えっ何!?」


うつらうつらになっていると、突然彼女が叫んで、ビクッとした。

彼女が窓辺で手招きしていた。
行ってみると…



「わ…、でけぇ」


大きな虹が出ていた。


「すごいでしょ!私のお気に入り」


自慢げにそう言う、彼女の目は潤んでいた。
やっぱりさっき…



「いいな、僕んとこからはこんなに見えないよ。すぐそこなんだけど」

「そうなの?近いんだ。…ねぇ、外行って見てみない?」


彼女がそう言い、僕らは外に出て、虹を追うようにして歩いた。






「…そうだ、これ覚えてる?」

「あ…」


僕は昔彼女にもらったキーホルダーをポケットに入れていた。


「この前田舎に帰った時に部屋あさってたら出てきたんだ。…持ってきちゃった!」

「へぇ…。貸して」


彼女は手に取り、懐かしそうに見つめている。




「こんなもん、もう捨てなよ」

「え?」


彼女はキーホルダーを川に投げた。


「ちょっ…何すんだよ…!」