「やだぁ!言わんでー!本当にショックなんだけど」

「いいじゃねぇか。もう僕らそんだけ歳とってんだから」

「高原くんはね。おじんだもんねー」

「うっせ」



こうして冗談を言い合ってると…10年前に戻ったみたいで、居心地がよかった。






「あ、そういや、高原くん人の人生揺るがしてしまったんだよ!」

「えっ、何のこと?僕何か悪いことした…っけ!?」

「今年のヨーヨーの世界チャンピオン、なんとあの賢ちゃんだったんだよ!」

「賢ちゃん…って、あの賢ちゃん…!?」

「そう!高原くんが教えてくれたあの日からヨーヨーの虜になってね、ついには世界の頂点に立っちゃったんだよ、すごくない!?」

「マジで!?すげぇな…うわー、なんか僕も嬉しい。僕も世界の頂点に立ったみたい」

「え、それはちょっと違うんじゃない?」

「違うか。でもすげぇ…!」



僕は本当に感動した。
いつも親の影に怯えていた、あの賢ちゃんが…




「変われば変われるんだよなー」

「変わったんじゃないよ。元々潜んでいたの。芽を出す良い時を見計らってたんだよ」