「おごるよ。僕が誘ったんだし、半分は僕が食ったし」

「ラッキー。じゃよろしくね!」





「ありがとうございます。お会計―……」


支払ってる間、先に出た彼女は外で酔っ払いにからまれてるのがレジから見えた。

僕は慌てて駆け付けた。



「ごめん、待たせたな」

「あ?男いたのぉ?」


酔っ払いは僕を睨み付ける。


「いたのー。ごめんねー」


彼女はそう言い僕の腕にしがみついた。


「チッ」


酔っ払いは舌打ちし、ヨロヨロと去って行った。



「大丈夫?」

「私を誰だと思ってんのよ、元キャバ嬢よ。酔っ払いなんかへのへへーよ」

「そっか…」


彼女は逞しそうに腕を組んでいる。


「でも助かったよ、ありがとね!あ、男とか言っちゃってごめんねー」

「いいよ、別に…。福澤さん…本当に変わったな」

「へっへっへー。あ、タクシー来たよ!おーい、乗っけてぇ!」


大胆にも彼女は道路の真ん中に出て飛び跳ね、大きく両手を振ってタクシーをとめようとしている。


「危ないよ!」

「え?平気平気!」


彼女は笑ってそう言うが、見ていて僕はヒヤヒヤしていた。